お役立ち情報
年々増え続ける生活補助費の問題について、厚生労働省は2017年度、生活保護受給者が利用する薬局を1ヵ所に限定するモデル事業を開始します。
複数の医療機関を受診して薬をもらう重複処方を防ぎ、生活保護費における医療扶助費を削減していく狙いです。
そもそも生活保護制度とは、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度です。
そのため生活保護受給者の医療費はすべて公的負担となり、受給者自身には負担がないことも、重複処方の原因となっているとみています。
中には、重複処方で大量に入手した向精神薬などを転売するといった悪質な事例も見られ、自己負担がない分重複処方や転売に対する意識の低さもみられます。
厚労省は、生活保護受給者の後発医薬品の使用割合を、2017年半ばまでに75%とするなどの対策も立てていますが、生活保護費の半数近くを占める医療扶助費は年々増える一方です。
そこで同省は生活保護受給者が利用する薬局を1ヵ所に集約することで、服薬管理、服薬指導を徹底して重複処方の解消につなげ、医療扶助費の適正化を図る狙いです。
また、1ヵ所の薬局が薬をすべて管理することで、併用禁忌や飲み残し・飲み忘れも防ぎ、受給者の健康管理にもつながります。
厚労省はこうしたモデル事業を全国5ヵ所程度の自治体で行い、医療扶助費の推移などを検証した上で全国展開をしていく方針です。
今後の薬剤師として、生活保護受給者のかかりつけ薬剤師となって活躍する道も考えてみましょう。
- 生活保護受給者の利用薬局を限定、医療扶助費の削減へ
- (更新日:2017/03/30)
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***参考***
『生活保護 薬局1ヵ所限定 重複処方なくし服薬指導を強化』
(2017.3.27付 日本経済新聞)
『生活保護制度等について』
http://u0u1.net/Czm1 (厚労省)
(最終閲覧日 2017.3.28)