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2017年5月25日、難病「筋萎縮性側索硬化症(以下ALS)」の進行を抑制する効果がある化合物を確認したと発表されました。
ALSは運動ニューロンが侵される病気で、徐々に全身の筋肉が動かなくなる難病です。
ALSは随意運動を行う筋肉に影響がある病気ですので、心臓や消化器に影響はありませんが、呼吸筋に影響が出て次第に呼吸が困難になってきます。
今までその原因や治療薬が見つかっていませんでしたが、この度京都大学iPS細胞研究所の井上教授らが、マウスを使った実験で慢性骨髄性白血病の治療薬が病気の進行を抑制する効果があることを発見しました。
研究グループはまず、ALS患者の皮膚からiPS細胞を作って病態を再現し、そのiPS細胞からできた運動神経を分析すると、健康な人から作った神経細胞と比較して異常なたんぱく質が蓄積して細胞死が起こりやすくなることを見つけました。
そこで、処方薬を含む1416個の化合物を試したところ、特に慢性骨髄性白血病の治療薬である「ボスチニブ」にオートファジーを促す機能があり、ALSの原因たんぱく質を分解、運動神経細胞の細胞死を抑制する効果があることを発見しました。
実際に治療法として用いるまでには、安全性や有効量の確認の必要もあり今後数年がかかる見込みですが、難病に苦しむ患者に光明が差す発見となりました。
数年後、皆さんが扱うこともあるかもしれませんね。
- 難病患者に光明!白血病治療薬でALSを抑制
- (更新日:2017/05/29)
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***参考***
LIVE TODAY FOR TOMORROW プログラム
http://www.als.gr.jp/
(最終閲覧 2017.5.25)
『ALSに白血病薬有効 筋肉の難病京大、iPSを活用』
(2017.5.25付 日本経済新聞)
『ALS治療薬の候補物質発見 京大、iPS細胞活用で』
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20170525000019(京都新聞)
(最終閲覧 2017.5.25)
『難病ALS治療薬の候補発見 京大、iPS細胞を使用』
http://www.asahi.com/articles/ASK5S3DW6K5SPLBJ001.html(朝日新聞デジタル)
(最終閲覧 2017.5.25)
『難病「ALS」の進行抑制物質を京大グループがiPS細胞使い発見 患者ら治療薬を「少しでも早く」と期待』
http://www.sankei.com/west/news/170525/wst1705250008-n1.html(産経WEST)
(最終閲覧 2017.5.25)
『白血病治療薬 ALS進行抑制 京大研、患者iPSで実証』
https://mainichi.jp/articles/20170525/k00/00m/040/183000c(毎日新聞)
(最終閲覧 2017.5.25)