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8月22日、大阪大学の研究グループが、さまざまな脳脊髄疾患で傷ついた神経回路を修復させる仕組みを発見したと、米医学誌が発表しました。
これは、膵臓から分泌される物質が、傷ついた脳や脊髄の神経回路を修復するというもので、将来的には多発性硬化症治療薬の開発につながると期待されています。
多発性硬化症とは、手足の痺れや視力低下などを起こす難病で、免疫異常により神経線維を覆っている髄鞘などが傷つくことで神経の情報伝達が阻害され発症するとされています。
国内には約2万人の患者がいるとされていますが、この傷ついた髄鞘は自然に修復することがわかっており、研究グループはこの修復を促している物質が何なのかをマウスを用いた実験で突き止めました。
実験の結果、髄鞘の修復を促す物質は血液中に含まれており、その物質はFGF21と呼ばれるホルモン様物質FGF21であり、とくに膵臓から分泌されるものであることを発見しました。
また、髄鞘が傷ついたマウスにFGF21を投与すると、髄鞘がよく修復されるようになり、髄鞘が修復するためにはFGF21受容体が発現していることを見つけました。
さらに、FGF21がヒトのオリゴデンドロサイト前駆細胞の増殖を促すことも判明しました。
今後、脳脊髄のさまざまな細胞や機能に如何に作用するか研究の発展が期待され、また髄鞘が傷つく疾患に対する治療薬の開発も期待されています。
- 阪大研究グループが神経損傷を修復する物質を発見!
- (更新日:2017/08/28)
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***参考***
『損傷神経治す物質 阪大など発見 難病治療に期待』
(2017.8.22付 日本経済新聞)
『傷ついた神経回路を修復させる仕組みを解明~指定難病、多発性硬化症の治療標的分子を同定~』
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20170822-3/ (国立研究開発法人科学技術振興機構)
(最終閲覧 2017.8.24)
『神経修復物質 阪大准教授ら発見 難病治療薬研究へ/大阪』
https://mainichi.jp/articles/20170822/ddl/k27/040/425000c (毎日新聞)
(最終閲覧 2017.8.24)
『膵臓の分泌物質、多発性硬化症などで傷ついた神経を修復 大阪大グループ発見』
http://www.sankei.com/life/news/170822/lif1708220007-n1.html (産経ニュース)
(最終閲覧 2017.8.24)